子供には、何かに強く興味を持ち、集中して同じことを繰り返す時期があります。
それこそが、モンテッソーリを語る上でさけてはとおれない、「敏感期」
敏感期を理解すると、子どもの行動を理解できるようになるので、子育てに少し余裕がうまれます♩
この記事ではモンテッソーリの敏感期について、解説しています。
モンテッソーリ教育の敏感期とは?
「ある特定のこと」を強烈な感受性で吸収する時期
モンテッソーリの創設者、マリア・モンテッソーリは文化や民族が違う多くの子供を観察するうちに、人間の成長にはいくつかのルールがあることを発見します。
その法則のひとつが、「敏感期」という期間が共通して現れることです。
乳幼児はそもそも、いいことも悪いこともスポンジのように吸収して成長しますが、「敏感期」はその中でも特定のものごとを強烈な感受性で吸収する時期です。
この時期の子供は、苦労する事なく、楽しんでその物事を吸収する事ができます。
敏感期の特長は
- とにかく集中しておこなう
- 同じことを何度も繰り返す
ということです。

なんか静かだなーと思ったらいたずらしてる!
ということありませんか?それこそ、敏感期のサインかもしれません。
敏感期の一覧表|いつくるの?始まりのサインは?


「敏感期は恋」と言われることもあり、急にはじまることもあれば、じょじょに始まる事も。
そして、終わってしまうと今までの熱中ぶりは嘘のようにそのことには興味がなくなってしまいます



子供が猛烈に伸びる時期を逃すのはもったいない!
見逃さないために、敏感期訪れのサインと、対処法を紹介します。
運動の敏感期【生後半年~4歳半ごろ】
自分の体を「思い通り」にコントロールしたい時期
ここでいう運動は「はしる・ジャンプする」等の全身運動から、「つまむ・ひねる」等指先を運動といった細かい動作まですべてを含んでいます。
この時期の子供は自分の体を思ったようにコントロールしたい!という使命にかられ、とにかくひたすら同じ行動を繰り返します。
運動の敏感期のサイン
- ティッシュをひたすら出しまくる
- 離乳食をテーブルから落としたがる
- 縁石の上を歩きたがる
- 階段をひたすらのぼりおりしたがる
- 机に上りたがる



一見「いたずら」に見える行動も多いですが、
体を思い通りに動かす為の訓練なんですね♩
運動の敏感期の対処法
いたずらは満足いくまでやらせる
家事のお手伝いをさせてみる
いたずらは一定の行動を集中して練習している最中。
危険でなければ中断させずに見守りましょう。



似たような動作のおもちゃを取り入れるのも手です
少し大きくなってきたら、家事のお手伝いをさせてみるのもおすすめです。
むりなく運動の習慣をつけることができ、役割を与えることで子供も達成感を得られるので、一石二鳥です♩


感覚の敏感期【生後半年~6歳ごろ】
すべての知的活動の基礎を強化する時期
人は五感(見る、聴く、嗅ぐ、触れる、味わう)から世界の情報を取り入れています。
そのため感覚の敏感期はすべての知的活動の基礎になります。
0~3歳は世界の情報をため込む時期、3歳からは整理して理解していく時期です。
この時期は五感をもとに「同一性を見出し、比較し、分類する」という、論理的思考の土台となります。
感覚の敏感期のサイン
- なんでも触りたがる
- 友達の持ち物をみて「おなじだ」という
- 同じ色のブロックやミニカーを並べ始める
感覚の敏感期の対処法
3歳まではとにかく体験をさせる
「ざらざらしてるね」「冷たいね」等具体的な声掛けを
3歳までは、むずかしく考える必要はありません。



冷暖房の効いた部屋にこもらず、
赤ちゃんの頃から散歩に出かけましょう
「外の空気がつめたい」「秋は葉っぱが赤い」
ということですら子供にとっては発見なのです。


3歳以降はその感覚を駆使して、グループ分けをするようになります。
色分けや、形分けなどの遊びを意識的に取り入れていくことがおすすめです。
モンテッソーリ教具を取り入れてみるのもおすすめですよ!
▼モンテッソーリ教具についてわかりやすく書かれています▼
ちいさなものの敏感期【1歳~3歳ごろ】
見えることに喜びを覚える時期
赤ちゃんはうまれる前から、外の環境で生きていくためのトレーニングをしていますが、「みる」ことに関してはできていません。お腹の中が真っ暗だからです。
ちいさなものの敏感期は目のトレーニングをしている時期なのです。
この時期のこどもは小さなものをよく見たい!
微細なものにピントを合わせてみたいという衝動に駆られています。
この時期に「みる」力がつくと、注意力や観察力の向上につながります。
ちいさなものの敏感期のサイン
- 散歩中にしゃがみこんで、ありを見る
- ダンゴムシを捕まえてうれしそうにしている
運動の敏感期とも重なるこの時期、ちいさなものをみつけ、三本指でつまんでうれしそうに持ってくる姿を見ることがあります。





虫を渡されてぎょっとすることもあるかも…
できれば叱らずに、「よく捕まえたね」「細かい所までよく見てるね」と肯定的な声掛けをしてみましょう。
ちいさなものの敏感期への対処法
「みる」おもちゃを取り入れる
観察を中断させずに付き合ってみる


モンテッソーリの「みる」おもちゃとしては、モビールやセンサリーボトル等があります。
手作りもできるので、ぜひ作ってみてくださいね♩



赤ちゃんが見える位置に鏡を設置するのも効果的ですよ!
言語の敏感期【胎生7カ月~5歳半ごろ】
語彙力が爆発的にのびる時期
敏感期の中で一番長い言語の敏感期。
お腹の中にいる頃から、すでにはじまっていると言われています。
3歳までは「無意識的な記憶」として、耳にした言葉をぐんぐん吸収します。
3歳に近づくと吸収していっぱいになった言葉があふれる「言葉の爆発期」が訪れます。
(この後の書くこと・読むことの敏感期につながります)
言語の敏感期のサイン
- これなあに?と繰り返し質問される
言語の敏感期の対処法
具体的な声掛けをする
絵本をたくさんよむ
言語の敏感期はなるべくたくさんの言葉をかけてあげるのが理想的です。



とはいえ、喋らない赤ちゃんに声掛けってむずかしい…
わかります…。
そんなときは「気持ちの代弁」「具体的な状態の説明」をしてみましょう。
また、絵本を読むことも、言葉と触れる機会におすすめですよ♩
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書くことの敏感期【3歳~5歳ごろ】
イメージ通りに手が動くのが楽しい時期
手がある程度思い通りにうごくようになると、書くことに興味が出てくる時期到来です。
今まで記号としてとらえてきた「文字」が伝えるツールとして使えるのがたのしくてたまらない時期です。
書くことの敏感期のサイン
- お手紙を書きたがる
- 文字を指でなぞるそぶりを見せる
書くことの敏感期の対処法
折る・切る・貼る・縫う遊びを取り入れる
文字を書くということは実はとても複雑な動きです。
鉛筆を三本指でしっかりとつまみ、手首を思うようにひねり、イメージどおりに動かさなければなりません。
そのためには前段階で、しっかり手の訓練をしておく必要があります。
読むことの敏感期【4歳~6歳ごろ】
読むことの敏感期のサイン
- 素通りしていたポスターにくぎ付けになる
- 兄弟に絵本の読み聞かせをしようとする
読むことの敏感期の対処法
部屋やお風呂にポスターを貼ってみる
自力で読める短い絵本を目につく場所におく


文字があればとにかく読んでみたいという時期なので、あいうえお表や文字の書いてあるポスターを目のつく場所に貼ってみましょう。
秩序の敏感期【生後半年~4歳ごろ】
「いつもと同じ」であることにこだわりを見せる時期
こどもはこの世界についてあまりよく知りません。そこでこどもの心のよりどころとなるのが「秩序=いつもとおなじこと」なのです。
この時期の子供はいつもと同じである事に安心します。
逆に、いつもと違うことが起こると先が予測できなくなり不安になるのです。
秩序を理解すると、倫理的思考は身につき、心が安定すると言われています。
秩序の敏感期のサイン
- いつも同じ布団じゃないと寝ない
- 児童館に連れて行ったら大泣きされた
- お気に入りの服以外着たがらない
- 散歩はいつも同じ道を通る
秩序の敏感期の対処法
イヤイヤされたら直前の行動をやり直す
いやな気持ちを代弁してみる
いつもと違う行動をする時は説明をする
いつも決まった場所におもちゃを片付ける
イヤイヤ期もかぶるこの時期、正直癇癪につきあいきれない!と思うこともあるかと思います。
理由なく癇癪を起しているように見えても、実は秩序の乱れが原因で嫌がっていることがよくあります。
「〇〇だからいやだったかな?」と嫌な理由を代弁したり、
「今日は急いでるから近道するね」と秩序を乱す理由を説明する事も効果的です。



すぐに効果はでないけど、
こつこつと伝えましょう…
数の敏感期【3歳~6歳ごろ】
算数・数学好きの土台ができる時期
数の敏感期のサイン
- おもちゃを1000個持ってる!という
- カレンダーや時計の数字を読みたがる
- 今日は何日?と何回もきく
数の敏感期の対処法
おはじき等で数字を量で見える化する
料理の計量をお願いする
お買いもののお会計をやらせてみる
数字に興味を示したからといって、急にドリルをやるのは危険。数字が嫌いになってしまうかもしれません。
モンテッソーリの算数教育でとにかく重要なのが、数を具体物(量)で見せること。
実際にお菓子や、おもちゃを並べて視覚的なアプローチから入りましょう。
手指を使いたい「運動の敏感期」、物を分別したい「感覚の敏感期」ともかぶる為、おもちゃをあつめて分けたり、数字と同じだけのシールを貼るような遊びもおすすめです。
▼数字遊びはコチラの記事が参考になります▼


文化・礼儀の敏感期【4歳半~6歳ごろ】
周りの人とのかかわりに興味を持つ時期
もっと世の中の事を知りたい!と思う時期。
言語や数以外のことにも興味を持ち始める時期です。
文化・礼儀の敏感期のサイン
- 道行く人に挨拶をしたがる
- なんで?どうして?の質問が増える
- 季節の行事にも興味を持ち始める
文化・礼儀の敏感期
大人が挨拶をしっかりする
まずは大人が人との接し方をしっかりする
分からない質問は一緒に調べる
この時期は、他の敏感期を同じように、耳にしたこと目にしたことを爆発的に吸収します。



みられてますよ、お母さん。
子供に礼儀正しく育ってほしいと願うなら、まずは自分から正しましょう。
わからない質問をされた場合は、適当にかわさずに、「どうしてだと思う?」と一緒に考えたり、図鑑で一緒に調べるのがおすすめですよ。
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